今が旬のスイカの収穫時期です。鮮度の見極め方法とスイカの栄養、おいしい食べ方をご紹介します
全体的なスイカの旬は5月中旬~8月 にかけてですが産地によっては早く出回ることろもあります。 スイカは、産地で旬をリレーしていく代表的な果物です。 4月~6月にかけて最も収穫・出荷され 、長崎県の小玉すいかは8月上旬まで収穫されていきます。
スイカは夏の代表的な果物ですが、美味しいスイカを選ぶのは難しいもの。ここでは、スイカの選び方を紹介しています。
スイカは鮮度が命。メロンやトマトとは違い、収穫後時間が経てば経つほど酸味が出たり、水分が飛んだりして味が落ちてしまいます。そのため、スイカは食べる日に購入するのがベストしかし、スイカは皮が厚く腐りにくいため、店頭に長期間置かれていることも。そのため、購入する時にはできるだけ新鮮なものを見極める必要があります。
丸ごとのスイカを選ぶ際の4つのポイント
美味しいスイカは、「音で選ぶ、ツルで選ぶ、模様で選ぶ、ヘソで選ぶ」の4つのポイントから見極めることができます。
1.音で選ぶ
「ポンポン」と低い音が響いたなら食べごろ、「ボーンボーン」と響くような音だと過熟ぎみ、というように、スイカを叩いてみた時の音で鮮度を確かめることができます。しかし音の聞こえ方には個人差があるため、実際には難しいといえます。
2.ツルの付け根で見分ける(くぼんでいるかどうか?)
鮮度の良いスイカは、ツルの付け根が少しくぼみ、緑色で周囲が盛り上がっています。一方で、収穫から日数が経って鮮度が落ちている場合は、ツルがついていた部分が茶色くシワシワに。
ツルの付け根がくぼんでいない丸い形の状態は、未熟のサインなので避けるようにしてください。
3.スイカの模様と撫でた感じで見極める
美味しいスイカの条件として「水分が少ない」と甘みが凝縮されて味がはっきりしています。
鮮度が良く水分が程よく抜けた甘いスイカは、黒い模様の部分がくぼんでいることがサインになります。
鮮度の良いスイカは、見た目で判断することは難しいですが、撫でてみると皮がピンと張っていてツヤがあり分かりやすいです。
また黒い模様の部分が濃く、緑との境界がはっきりしているのも新鮮で甘いスイカの特徴になります。
4.熟しているかヘソをみて確認
お尻のヘソは、スイカの熟し具合が分かります。
ヘソが小さい場合は、未熟の可能性があります。
反対にへそが大きすぎる場合は、熟しすぎている可能性が高いといえます。
スイカ同士を見比べると大きさの違いに気づくことができます。
スイカの美味しい食べ方を紹介
少しの工夫で、スイカをさらに美味しく食べることができます。
カットスイカは種の周囲に「少し空間が空いているもの」を
カットスイカも鮮度が重要です。鮮度が落ちているスイカは赤い部分、白い部分、皮の部分の色がぼやけています。美味しいスイカは、種の周囲に少し空間が空いているものを選ぶと良いでしょう。タラコのようなつぶつぶが見られる場合は、過熟ぎみです。
スイカのカット
○一番甘い部分は?
すいか1玉の中で、一番甘いところは、中央部、真中です。そのため、すいかを切るときには、一番甘い中央部、真中がみんなにいきわたるように、中央部を軸に包丁を入れ真ん中が均等になるよう工夫すると美味しく食べることができます。
○種が見えないように切るには
すいかには縞模様があります。
縞と縞の間を切ると種が目立たなくなります(例外もあります)。
スイカの正しい冷やし方
スイカは、食べる直前に冷やすことでさらに美味しくいただけます。
ただ、冷やしすぎると甘さが落ちるので気をつける必要があります。
美味しく食べられる基準は8〜10℃くらい、お家で食べる場合は水道水で冷やす方法が一番良いです。
水道水で冷やす時は、スイカの上半分に布巾をかぶせ、その上から少しずつ水道水をかけて冷やしていきます。
大きなボウルや鍋があると、節水することもでき効率も良くなります。
いつも捨てる皮も美味しく食べられる
スイカの皮は固くて捨てられることが多いですが、浅漬けにしたり、千切りにしてサラダに入れると美味しく食べることができます。
スイカの皮の白い部分には、栄養素のシトルリンが多く含まれるので、ぜひ食べることをおすすめします。
一番外側の模様がついている皮は、薄く切って取り除きましょう。
スイカの栄養と美容効果
スイカ(赤肉種)の主な栄養成分を下表にまとめました。
栄養成分 100gあたり エネルギー 41kcal 水分 89.6g 脂質 0.1g ビタミンC 10mg カリウム 120mg ビタミンA 69μg βカロテン 830μg シトルリン 180mg
エネルギー、水分
スイカはほかの果物と比べるとカロリーが低く、全体の90%が水分です。
そのため暑い夏の水分補給や熱中症予防にぴったりです。
ビタミンC
ビタミンCは、水に溶けやすい水溶性ビタミンのひとつです。
抗酸化作用が高く、皮膚や細胞のコラーゲンを作るために欠かせない栄養素です。
そのため、ビタミンCを摂取することで女性に嬉しい美肌効果が期待できます。
夏の強い日差しによる肌荒れやシミ予防にもつながります。
カリウム
カリウムは、人間の身体に必要なミネラルのひとつです。
体内の余分なナトリウムを排出しようとするため、尿の排出を促す利尿作用があります。
これによって、水分代謝を促して、身体のむくみ改善や血圧の改善に期待できます。
ビタミンA
ビタミンAは、脂溶性ビタミンのひとつです。
スイカを食べるだけで、水溶性ビタミンのビタミンCも、脂溶性ビタミンのビタミンAも両方摂取することができます。
ビタミンAには、目や皮膚の粘膜を健康に保つ効果があります。
そのため、健康的な肌を保ち、免疫機能を維持する作用が期待できます。
βカロテン
スイカは、βカロテンを多く含みます。
また、トマトと同じくリコピンも多く含まれており、その含有量はトマトと比べて1.5倍と非常に高いです。
βカロテンとリコピンは、先ほどご紹介したビタミンCと同じく、抗酸化作用が高い栄養素です。
皮膚や細胞の健康を保つのに役立ちます。
シトルリン
シトルリンは、スイカなどのウリ科の植物に多く含まれるアミノ酸の一種です。
スーパーアミノ酸ともいわれます。血管をしなやかにする作用があり、血流改善や動脈硬化の緩和が期待されます。
また、先ほど説明したカリウムと同じく、利尿作用があり、むくみの改善が期待できます。
夏の風物詩の一つであるスイカは、上手に保存してあげると最後まで美味しく食べることができます。
基本的にスイカは、常温保存が向いているフルーツといわれています。
冷やしすぎると甘さが落ちるため、食べる直前に冷やしてカットすると美味しくいただけます。
カットしてないなら涼しいところへ
保存方法としては、非常に簡単です。
そのままの状態で風通しの良い涼しい場所に置いておくだけです。
なるべく直射日光が当たらないようにしましょう。
スイカは追熟果実ではないため、保存期間が長くなればなるほど果肉は劣化し、シャリシャリという食感が失われてしまいます。
常温での保存期間は、2週間〜1ヶ月と非常に長いですがなるべく早く食べるようにしましょう。
カットしたらすぐに冷蔵庫へ
カットしたスイカは、丸々の状態のスイカと比べて劣化が早く、正しく冷蔵保存しても2〜3日以内に食べ切るようにしましょう。
また、普通に冷蔵保存すると乾燥してしまい美味しさが損なわれてしまいます。
一切れずつラップをすることで乾燥を防ぎ、鮮度を保ってくれます。
冷凍保存という方法も
量が多くて食べきれない時は、冷凍保存してシャーベットやスムージにして楽しむ方法がありますよ。
冷凍保存の期間は、1〜2ヶ月と長い期間保存することできます。
冷凍保存する場合は、食べやすい一口サイズにカットして種を取っておきます。
次に密封できるフリーザーパックに入れて、少し砂糖を加えてまぶして冷凍保存しましょう。
食べる時は、10分だけ常温においてシャーベット風に食べたり、カットしたフルーツと凍ったスイカに炭酸水を入れフルーツポンチにしたりと色々楽しめます。
すぐに食べやすく、夏の暑い季節におすすめの食べ方です。
ただ常温解凍しすぎると、水っぽくなって美味しくなくなるので気をつける必要があります。
まとめ
スイカは、暑い夏の水分補給にもピッタリで、美容効果のある栄養素を含む、美味しく健康に良い食べ物です。
女性に嬉しい美容効果がありますが、水分が多いため食べすぎるとお腹を冷やし、下してしまうこともあります。
お腹を下しやすい人は、くれぐれも食べる量には気をつけてください。
嬉しい栄養素がたくさん含まれる美味しいスイカを、みなさんもぜひ召し上がってください。